機械学習ベンダーのエンジニア日記

ベンダーエンジニアのキャリアに関する日記。元データベースベンダーエンジニア、現機械学習ベンダーエンジニア

プリセールスエンジニアとは

すごく耳慣れない職業の一つだと思いますし、はぐれメタル並みにレアな職種です。私の彼氏プリセールスエンジニアなんだって言っても社内恋愛でない限りまったく伝わりません。

 

同様な仕事をしている人で別の呼び方で聞いたことがあるのは、技術営業、セールスエンジニア(SE)などがあります。技術営業と言われればわかるのに、どうしてわざわざ分かりにくい言葉を使うのかと言われるかもしれません。これには理由があり、細かい業務内容が違うということも確かにあるのですが、ベンダーはやはり大半が外資系であるため、横文字が日常業務で異常に使われます。よくネットで意識高い系の人が横文字を使うとか言いますが、そのレベルでないくらい使いますし、そうじゃないと社内で通じません。私はデータベース関連だったので、コミットやマージ(いずれもデータベース用語でもある)という言葉は未だについ使ってしまいます。

 

話が脱線しましたが、要するに販売において営業を技術的に支援するエンジニアです。ただ、プリセールスという名の通り、販売までであって売った後のエンジニアリングにはあまり手を出しません。基本的にSIerと要件をつめたりしますが、最近はエンドユーザに直接売込んだりもします。営業と同行してプレゼンをする機会がもっとも多いエンジニア職です。そのため分業化が進みすぎているとターミナルを一年間開かず、パワーポイント職人になっているケースが少なからずあります。

 

一見パワーポイント職人とか書かれると楽そうな職種に見えますが、IT業界のトレンドや競合との比較、エンドユーザーの業務内容やビジネス状況、製品機能がどうビジネスに活用できるのか、ライセンス体系、他製品との連携などの質問に対しての解答だけでなく、それを伝えるプレゼン力を一人で求められるため、ある程度キャリアを積まないとそもそもなれません。

 

また常に最新製品に対してのキャッチアップが求められるので、英語の資料の読解力も求められます。販売までとありますが、トラブルなどが発生するとエンドユーザー向けに技術的な説明をする必要があり、矢面にも立たされます。正直ほかのエンジニア職に比べると給料は営業寄りということもあっていいですが、チームノルマなどがあるケースも多いです。

 

まとめると比較的営業寄りな給料体系ですが、営業寄りの幅広い業務、レイヤーを跨いだ技術スキルを求められるプレッシャーもそれなりにあるポジションです。営業とツーマンセルで動くこともあるため、社内の人間関係も大事です。

 

ポジションとして枠はそこまで多くないですが、一度なってしまうと似た製品であれば簡単に他社の同じポジション以上に転職できますし、製品が違ってもキャッチアップの早さがもともと求められるため、同じ職種であれば基本高評価で引き抜かれます。また営業にそのまま転身して、ツーマンセルどころか単独で案件を取ってくるスーパー営業になるケースもあります。

 

技術的に自分の腕を動かすことはあまり多くないので、オープンソースなどの技術コミュニティで存在感を出せるほどのレベルアップは望みづらいです。良くも悪くも営業と技術の中間というポジションです。また人数が全体的に少ない、基本営業以外とのチームプレイを求められないことからマネジメントスキルも付きづらいです。後輩ができても部下になる確率は低く同僚です。逆に上司からの締め付けも弱いケースが多いです。

 

なれるチャンスが巡って来たならば積極的に狙う価値はありますが、製品の競争力が弱いと営業寄りの評価体制、ノルマが重くのしかかるのでそこは注意しながら選択しましょう。

 

次回はポストセールスエンジニアについて。