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機械学習ベンダーのエンジニア日記

ベンダーエンジニアのキャリアに関する日記。元データベースベンダーエンジニア、現機械学習ベンダーエンジニア

サポートエンジニアとは

ベンダーにおける最後の砦。客に怒られ、社内から責められ、仕事が終わっても感謝メール一つで終わるケースも多い不遇なエンジニア職です。給料もプリセールスやポストセールスに比べるとインセンティブが極小または無しなので大幅に負けます。安定かと言われると製品が買収されたり、撤退するとコンポーネントカットを食らうのでそこまで安定でもないという。。

 

一生の仕事にサポートエンジニアを選ぶことをこれからベンダーの世界に飛び込みたい人に対して正直私は勧められません。ただサポートエンジニアを経験したかどうかは、その後のキャリアに大幅な厚みを出すため、一度は修行だと思って経験しておくことをお勧めします。


例えばプリセールスやポストセールスとして客先に行った際に元サポートという経歴をチラッと出せれば、それだけであなたに対する技術的信頼は就業年数や付き合いの回数を飛ばして、同じチームのメンバーをごぼう抜きにできます。社内での連携でも技術的信頼があるため、その部署でのキャリアが浅くとも技術的な内容で重箱の隅を突かれません。元サポートエンジニアと技術勝負をすると恥をさらす可能性が高いので戦いにこないのです。


圧倒的な技術的信頼を勝ち取るのはそれだけサポートエンジニアという業務が技術的に高いレベルを求められるためです。お客様の環境はそれぞれ別なので、自社製品だけでなく幅広い知識が必要です。また内容を知っているレベルでなく、操作できる、調査できる、直せるレベルが求められるので、資料しか読まない大勢のセールス寄りのエンジニアと比べて深いレベルまでの知見が求められます。技術ばかりで喋りが出来ないかと言われれば、常に問題が発生して感情が高ぶった社内外との会話をこなしているため、決して低くありません。またハードな経験を共有できるという理由か世代を超えて、元サポート同士は謎の信頼関係を築けます。IT業界は人脈命(これもそのうち書こう)なのでサポートでの経験は将来のキャリアに大きく生きてきます。


サポートとして伸びづらいスキルがあるとすれば、市場全体の動きの見方や競合製品への理解や、数字を追っていく、自分で新しい価値を生み出していくということがあるかもしれません。基本的に問い合わせ対応に追われ、時間が取れないのもあるのですが売れて動いているものをサポートするので、案件のフェーズや営業のノルマなどはほとんど興味がありません。サポートから他のチームに移る場合や他のチームとやりとりするような上のポジションに上がった際には、案件のフェーズへの理解をつけていく必要があります。


ここまで書いてもやはりいいところの割合が少ないように思いますが、キャリアとしては貴重な若手の時期をかばん持ちや見積もりチェックや簡単な検証ツールの作成程度でエンジニアスキルを伸ばさないよりも、毎日製品やその周りのインフラ技術と格闘することにより、他の部署の何倍も経験値を積むことができます。


さらなる技術ステップを目指したいという方は是非体力が持つうちに一度経験されると良いかと思います。サポートを経験すると営業寄りのエンジニアへ移動も歓迎されますし、より開発に近いまたは開発チームそれ自体に移動することも可能です。ただ業務アプリケーションのサポートだと操作系がメインであまり製品以外の技術スキルはつかず、代わりに業務スキルがついたりして必ずしも開発側への近道とはならない点は注意が必要です。


ちなみにここまで書いているサポートは主にベンダーにおけるセカンドラインサポートを意味しています。ファーストラインサポートはお客様の初期質問であり、イメージとしてはコールセンター業務に近いです。こちらはベンダーではパートナーなどに外注してしまっているケースがほとんどです。サポートへ挑戦といっても最低限業務は確認しましょう。


次回はエバンジェリストについてでも。